腎不全。この病気をブログで説明しようとすると、膨大な量となってしまいます。
急性・慢性、腎前性・腎性・腎後性などいろいろと。
今回は、慢性腎性腎不全について、書きたいと思います。
細胞レベルでの内容では、細分されるが、大きく表現すれば、腎臓の機能異常が長期間続いたものが、慢性腎不全と診断されます。
症状は、初期段階として多飲多尿、その後脱水による体重減少が起こります。
中期から後期にかけては、尿毒症の症状が現れ、食欲不振、嘔吐などが見られます。
我々のところに、来院するのは、この中期から後期の場合が、ほとんどです。
診断としては、上記の臨床症状と経過観察、そして血液検査がメインとなります。
血液検査では、主にBUN、クレアチニン、最近ではSDMA、ナトリウム、カリウム、クロールなどの電解質、貧血状態の評価が必要となります。
あとは、レントゲン、超音波、尿検査も必要になります。
治療としては、どんなステージにあるかで治療方法は変わります。
1.食餌療法・・・蛋白質を抑えた食餌を使用。
2.内服・・・蛋白の吸収を抑える活性炭や血液中の窒素老廃物を餌とする腸内細菌をカプセルにしたサプリメントなどを使用。
3.点滴療法
4.貧血対策・・・一定レベルの貧血症状が見られたら、その対策も行う。
5.腎移植・・・あまり現実的ではありませんが、大学病院などでは実施している施設もあるようです。
高齢猫の死因としては、近年、慢性腎不全が一番の原因だと私は思います。
早期に発見して、治療を開始することがとても重要です。
当院でも、中期の慢性腎不全を早期に発見して、長く維持コントロールして、天寿を全うした猫達が多くいます。何かあれば、当院にご相談下さい。
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